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クラウドが作る新世代ゲーム“OnLive”(2)

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次世代のゲーム機の姿とはどんなものなのでしょうか?こんな素朴な問いに対する答えとして、米国で注目を集めているサービスがあります。米カリフォルニア州にあるベンチャー企業のOnLive(パロアルト市)が提供しているクラウドコンピューティングを使ったオンデマンド型ゲームです。家庭用ゲーム機時代の終焉(しゅうえん)を示唆する最先端のサービスといえます。

この記事はクラウドが作る新世代ゲーム"OnLive"(1)の続きです。


ただ、高機能のゲームをクラウドで提供することが技術的に本当に可能なのかという点については、疑問符がつけられていました。ネット回線でゲームの操作やデータ処理を行う場合には、常に「遅延」の問題が伴うためです。

家庭用ゲーム機では、60分の1秒という非常に短時間で処理を行っているため、滑らかな動きをしているように感じられますが、OnLiveのようなクラウド型に移行した場合、いくらスピードの速いブロードバンド回線越しに行われるとしても、処理の遅延が発生することは避けられません。

光は原理的には1秒間に地球を7周半することができますが、ネット越しにゲームをプレーする場合には、あまりに遅すぎる速度なのです。様々な演算をこなすため、実際の処理速度ははるかに遅くなり、大容量のコンテンツ(情報の内容)であるほど、ネット経由でストレスなくゲームをすることは容易ではなくなると言えます。

こうした事情から、家庭用ゲーム機で主流を占めている「一人称シューティングゲーム」といった銃撃戦をテーマにしたリッチなゲームは、ストリーミングのオンデマンド型サービスには向かないと考えられてきました。現在の技術では「時代を先取りしすぎている」という評価だったのです。

この問題を解決するため、昨年4月にコロンビア大学で行われたプレゼンテーションで、OnLiveのスティーブ・パールマン創業者兼CEOは、米国内ではカリフォルニア州、バージニア州、テキサス州、イリノイ州、ジョージア州などに分散する形でサーバーセンターを設置し、遅延を最小限にする工夫を行っていると説明しました。

その結果、米国内のすべてのユーザーが1000マイル(1600キロ)以下の距離でサーバーにアクセスできるようになりました。米国では、接続しているネット環境が1秒あたり5MB以上のブロードバンド回線であれば、ゲームの遅延を感じさせずにプレーできるとしています。

このように次世代型のゲームの開発は進んでいます。PCやスマートフォンさえあれば、十二分にゲームを楽しめる時代はすぐそばまで来ているのです



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